ここのところ多忙だったハムのダンナさん
今日は久しぶりに一段落してルンルン気分です。
便乗してついていくのはハムさん！！
ガラガラガラ ・・・
扉をあけるなり、先客を見たダンナさんは
ある出来事が脳裏を甦ってしまったのです。
そう！それはちょうど3年前 ・・・ 南の島に出かけた時のことでした。
いきなりカワハギに体当たりされ大切なデジカメを落としてしまったのです。
それ以来、ダンナさんはすべてのカワハギに対して
敵対心を抱いているのです。
そのカワハギは謝ることもしないで
逃げ去ってしまったとか ・・・
・・・ とはいえども、いきなり胸ぐらをつかまれ
皮まで剥がされてしまったこの先客にとっては
たまったものではありません。
濡れ衣を着せられるのも甚だしいところです。
ダンナさんはハッと我に返りました。いきなり大人げないことをしてしまったと反省することしきりです。
このカワハギのハギノスケさんが喧嘩っぱやい性格じゃなくて
よかった！ と、となりのハムさんは胸をなでおろしています。
いきなり皮を剥がされたものですから楽しく笑顔で！
と言うのも無理かもしれませんが、いつまでたっても
ハギノスケさんがあまりにも暗いので、ダンナさんは
気が気ではありません。
張り直したところまではよかったのですが ・・・
ダンナさんはお詫びに何か力になれば ・・・
と思いますが なすすべがありません。
せめて今できることはハギノスケさんの
話に耳を傾けることくらいです。
「しょせんこんな世の中ですから ・・・ 」「どうせわたしなんか ・・・ 」「どうせ ・・・ どうせ ・・・ もうダメですわ 」
ハギノスケさんは延々と グジグジ イジイジ 言い続けています。
ハギノスケさんの辛さがわからないでもなかったものの、自分もここのところ疲労が重なっていたものですから
ダンナさんはもう、心の余裕がありません。
ひらめさんは慌てて三味線を奏でる準備をします。
♪べべん べんべん ♪べべん べん♪
♪♪べべん べんべん ♪べんべんべん ♪
いつもの音色が響き渡ります。
実は皆 これを待ちかまえていたのかもしれません。
ハギノスケさんは ずっと、じっと、耳を傾けていました。
自分の中で澱んでいたものが
どんどん澄み渡っていくのがわかります。
ハギノスケさんは今までを振り返ってみて思いました。
昔はあれほど夢を追いかけて熱中していたのに ・・・
いつのまにか流されて ・・・ あきらめて ・・・
そして それを何かのせいにしてばかりいた ・・・
後ろ向きなことばかり口にしていたら
本当にそれが現実のものになってしまっていたよ
幸せは自分が作っていかなくちゃいけないものなのに ・・・
♪♪べん♪
ひらめさんが三味線を もうひと奏でして微笑みました。
「ハギノスケさん あなたが今、そう気づいた瞬間から
あなたにはいっぱいチャンスがやってくるんですべん」
ダンナさんもハムさんも傍らでパワーをもらっています。
「あ〜今夜もええお酒やった♪ そろそろ ・・・」と
言いかけてダンナさんが横を見ると ・・・
ペコペコ頭を下げながらも二人は
元気と素材をもらって帰路につきます。
←素材は大切にお持ち帰り
さて、そんな夜からしばらくたった頃 ハギノスケさんが凄い勢いでお店に飛び込んできました。
諦めていた夢の実現 。。。
。。。 その秘訣をたずねてみたところ
「どんなモノならこの世の役にたつだろうか ・・・
みんなに喜んで使ってもらえるだろうか ・・・ 」
そういうことを第一に考えて日夜、企画案に取り組んで
いたとのこと ・・・
そして 「きっとうまくいく！！」
毎日そう言葉にしながら自分を信じていたそうです。
えっ！？ ところでどんな商品かって！？
それは 意外と身近で目に付くものかもしれませんよ♪ べんべん♪
ハギノスケさんは蚊の鳴くような声でボソボソとつぶやきはじめます。
そして、それなりに言葉を選んで励まそうとしているのですが ・・・
※ これはノンフィクションではありません。
（そうじゃないとこともありますが ・・・ ）
ハム夫婦は実際はカワハギの皮を破ったりは
していませんので、あしからずご了承ください。
実はこれは彼のかねてからの夢だったのです！
（本当はハギノスケさんの愚痴と弱音がすっかり吐き出せるまで、もう少しだけ待ってみるつもりだったのですが ・・・）